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マーケティング論(6)

新商品を考えてみよう

· マーケティング

新商品開発にチャレンジしよう

新商品を生み出すことは、全く新しい製品を世に問うわけですが、作り手からすれば、自分が考えた商品が世の中に出るワクワク感が最高潮になる瞬間です。メーカーのマーケターは、おそらくこの瞬間のために生きていると言っても過言ではないかもしれません。

 そこで、これまでやって来た分析を踏まえて、新商品開発をしてみましょう。

製品開発の6つの方向性

 製品開発はさまざまですが、大きく6つの方向性にパターン化されるようです。改良のアイデアが浮かばない時はパターンに当てはめて逆算して考えるのも発想の1つです。

 市場には毎年数千、数万の新製品が登場します。しかし、これまでになかった本当に革新的な新製品は10%しかないそうです。消費者のニーズや嗜好の変化により、製品ライフサイクルはますます短くなる傾向にあります。そのため、企業は常に新しい製品・サービスを開発する努力をしなければいけません。米国のコンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトン社は、新製品を6種類に分類しました。製品開発のヒントになるので、この6分類を理解しておきましょう。

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(1) これまでにない新製品=花王ヘルシアがまったくの新しい健康緑茶市場を創造した。

(2) 新しい製品ライン=伊藤園のタリーズブランドでの缶コーヒー市場参入。

(3) 既存製品ラインへの追加=コカ・コーラが缶や瓶、様々な容量のペットボトルを展開し、個人からファミリーまで対応。

(4) 既存製品の改良や変更=脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる特保のペプシコーラ。

(5) リ・ポジショニング=ポカリスウェットはスポーツ以外でも、お風呂上り、就寝前の渇いた体を潤すシーン訴求。

(6) コスト削減=和光堂の粉ミルク「はいはい」。病院・産院での調乳指導やお土産配布などの宣伝活動、大規模な広告宣伝は行っていない。広告宣伝活動に掛かる経費を“子育て応援プライス”として製品価格に還元している。

ブルーオーシャン戦略の4つのアクション・フレームワークで、新商品を導いてみよう。

では、具体的にブルーオーシャン戦略の4つのアクション・フレームワークを使って新商品を考えてみましょう。このアクション・フレームワークは簡単に言ってしまうと、コンテンツを以下の4つの作用で変形させていきます。以下の図は、シルクドソレイユが単なるサーカスから変形し、独自のパフォーマンス集団になるために、どの要素をどう変形させたかを描いています。

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(1)増やす・・・今あるものでターゲットが必要としていたり、トレンドに合っているものの比率を増やしていきます。

(2)減らす・・・もはや顧客の需要が少ない、必要性が薄くなっている。その要素をさらに減らしていきます。ゼロにはしないですが、比率を少なくしてもいいものは何かを考えましょう。

(3)新たに付け加える・・・コンテンツ全体に新しいイメージを醸成する要素を付け加えましょう。その時に大事なのはコンセプト。新しいコンテンツのコンセプトから、新しい要素を導き、付け加えてみましょう。

(4)なくす・・・もはや需要がない、必要性が薄くなっている。そう言ってものはバッサリとなくしてしまいましょう。すると、増やしたり、付け加えたものが強調され、さらに強いコンテンツになります。

この4つの作業を行うことによって、よりユニークなコンテンツへと変形してみましょう。

USP(Unique Selling Proposition)を見つけてみよう。

 USPは1960年代にアメリカの広告コピーライターであったロッサー・リーブスが提案した広告制作理論の1つです。自社が顧客に「強み」として印象づけたい価値要素を選び、広告やパッケージでイメージ訴求することで、競争の優位性を生み出す広告手法です。 

 

USPとは、Unique Selling Propositionの略で「製品固有の売り込み提案」。つまり、自社から強みをアピールすることで競争の優位性を生み出すことなのです。

 USPは究極「顧客がなぜその製品を購入するかの理由」につながります。そのポイントを生み出すには、3Cフレームワークで考えると見えてきます。

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 上の図の①を見てください。対競合の視点からUSPを構築するやり方です。競合商品と比較して、自社商品が優っている部分を見つけ、コミュニケーション表現で圧倒的な差をつけるのです。特に売り場で顧客は必ず競合と比較検討しますから、自社の圧倒的な「強み」を印象付けることが購買につながるのです。

もう1つは顧客が購買したい「価値」から考える方法です。上の図で言う②の視座で、顧客の想いを最も汲んでいるソリューションとして商品価値を強く訴求するのです。(この視点は、前回課題で出したインサイトから見た時に、どの価値要素が対応するかを考えるといいわけです。)

 

 このようにUSPの構築には、対競合と顧客価値の2つの視座があるわけですが、重要なのはどちらかの視座で構築するのではなく、両方の視座から自社商品の「価値」を捉え直すことです。顧客が求めている価値を「前提条件」とした上で、競合との「差別化点」を明確にすることが、強いUSPを構築するコツと言えます。

課題:新商品開発に挑戦しよう

今晩、6/14(月)の夜にフォーマットをmanabaの「レポート」にアップします。

あなたが考えた探究している商品・サービスの「新商品」の考えをフォーマットの項目を添うように埋めなさい。

締め切り:2021年6月20日(日)am10:00